昭和天皇の国家の安全保障に関する考えがあまりにも
常識に適っていてよく分かる。
国民による国家にとって、国軍を持って国民を守る
のは、当然のことだ。
むしろ国軍を拒否する者なんか無責任に過ぎない。
だから再軍備は必要であり、憲法改正も必要と昭和天皇
は考えた。当然のことだ。
ただし、戦時中の軍閥の復活は望まぬし、暴走しない
軍隊でなければならないと昭和天皇は考えておられた。
そして吉田総理が、占領期に作られた憲法の条文のまま、
軍事力を捨てた状態を許容し、憲法改正しないというの
なら、米軍に守ってもらうしかないと昭和天皇が考える
のも、まったくの当然。
非の打ち所のない判断である。
ただし「敗戦責任」を猛烈に感じておられて、「反省」
を国民に向かって表明し、「退位」をしたいと望まれた
ことは、気持ちとしては痛いほどわかるが、「天皇の
戦争責任」を追及する共産党や連合国の世論が消えて
いない状態では、難しかっただろう。
敗戦責任は東条英機ら、東京裁判で有罪とされた者
たちが負ってくれた。
天皇を守るために死んでくれた。
そして国民は敗戦後でも、圧倒的に天皇を支持していた。
天皇と共に立ち直りたいという心情があった。
だから天皇の退位を阻止した吉田総理の判断は正解
だったように思う。